こんにちは。仏教講師を目指している長谷川愛樹です。
今年も、まもなく父の日ですね(^^)
私は、父とそっくりです(笑)
顔も似ていますが、思考回路がそっくりで、久々に会っても同時に同じ言葉を発することが多くあり、遺伝の力にいつも驚かされます。
父は自営業でグラフィックデザイナーをしていますが、好きなことを楽しそうに仕事にしている背中を見て育ち、子どもの頃からそんな生き方を尊敬しています。
高校生の頃は、周りが「お父さん、うざい」と言っている中で、「尊敬してる」とは口にできなかったのが懐かしい思い出です。
さてさて、母の日と比べて忘れられがちな父の日の前に、
仏教で教えられている親の恩についてお話したいと思います。
親と仲が悪い、感謝ができない、という人もいると思いますが、
お釈迦様は、「すべての人は親から大変な恩を受けているのだよ」と父母恩重経に、『親の大恩十種』を教えられています。
その最初の4つを紹介したいと思います。
①懐胎守護の恩(かいたいしゅごのおん)
まず始めは、懐胎守護の恩です。これは、母親のおなかの中で、十月十日守ってもらったご恩です。お母さんは、つわりが始まり体調がどれだけ悪くなっても「生まれてくる子どものため」と、その苦しみを受け入れ守ってくれます。血も肉も子どもの体のすべては、お母さんから分け与えられると言われます。子どもの骨や歯は、お母さんの血液中のカルシウムが運ばれ、それでも足りなくなるとお母さんの骨を溶かし、そのカルシウムが胎児の体に運ばれます。重病人のようになるのも無理はありません。それでも、お母さんは、心を静め行いを慎み、子どもの成長を願います。胎教のためと、それまでは関心のなかったクラシックを聞いたり、生まれる前から絵本を読み聞かせたり、優しい言葉をかけて大切に大切に子どもを思っていますね。
お父さんも、そんなお母さんを守るために重たい荷物をもったり、つわりで苦しんでいる姿に一緒に苦しみ、励まし、支えていますね。
②臨生受苦の恩(りんしょうじゅくのおん)
次は、臨生受苦の恩です。いよいよ月満ち、子どもを産むときは、大変な苦しみを受け、命を与えてくれるご恩です。子どもを産むときの苦しみは、鼻からスイカがでるほど大変と言われます。しかし、「それ以上に辛い」という声が溢れています。額にあぶら汗が流れ、全身がバラバラになるような痛みに耐えながら、子どもを産みます。男性が出産の痛みを2時間疑似体験するという試みがありましたが、絶叫に絶叫を重ね、リタイアする人もありました。初産の場合、陣痛が12~16時間かかるのが一般的ですから、どれほど大変かが知らされます。
お父さんも、大切な妻と子どもの命が無事であるよう必死で願い、見守ってくれますね。
③生子忘憂の恩(しょうじぼうゆうのおん)
3つ目は生子忘憂の恩です。子どもが生まれると、それまでの一切の苦しみ憂いを忘れ、喜んでくれるご恩です。子どもが無事に生まれたことを知ると、一家挙げて「よかった、よかった」と歓声をあげ、喜びます。私たちの名前には、その喜びや親が子の幸せを願う気持ちが込められています。私の名前は、みんなから「愛」され、「樹」木のようにまっすぐと育ってほしい、という願いが込められていると聞きました。漢字がなかなか決まらず、二転三転してつけてくれたそうです。親の愛情を感じる素敵な名前をつけてもらい、有難く大切にしたいと思います。
④乳哺養育の恩(にゅうほよういくのおん)
4つ目は乳哺養育の恩です。乳を与え、育ててくれたご恩です。生まれたばかりの子どもは、時間を問わず、お乳をねだり泣き出します。新生児の時は、2~3時間に1回の授乳のため、夜中も寝ては起きての繰り返し。お母さんはまとまった睡眠がとれません。それでも、子どもがミルクを飲めばほほえみ、体重が増えればまた喜びます。
私たちの記憶にはないですが、これらはすべての人が親から受けているご恩です。おなかの中で守られ、大変な苦しみを受け、生まれれば喜び、栄養を与えて育ててくだされたからこそ、今の私の命があります。
生まれ難い人間に生まれ、育てていただいたからこそ、「人間に生まれてよかった」という歓びがえられます。
普段は忘れがちな親の恩。母の日や父の日をご縁に、いま一度振り返り、感謝を伝えたいですね。
似ている父には、特に照れくさくて伝えにくいのですが、私も頑張りたいと思います(^^)/
2コメント
2020.06.24 10:26
2020.06.22 06:12